今この瞬間の体験の変化を自覚する、アウェアネスと全体性(プロセス思考心理学入門/アーノルドミンデル)
竹富の白浜に沈む夕陽を臨みつつ、「先島への道」を描くために司馬遼太郎も滞在したという古き旅館にて、「竜馬がゆく」を読み耽り、その気概に奮い立ち、続く旅路は、遥か彼方に続く石垣の地平線を前に、放射線状に広がる暁の彩に息をのみつつ、なぜか夫婦でアーノルド・ミンデル漬け。笑
プロセスワークは、いざ読んでみると自分がやっているプログラムで扱っていることと重なる部分も多く、臨床的にはこういうことなのか、こういう言葉で表現するのか、なるほどなるほどと「プロセス思考心理学入門」読み進めていたのだが、
「大地の心理学 – 心ある道を生きるアウェアネス」を読みはじめ、なんだか宇宙を漂っているかような感じ。理論物理学をバックグラウンドに持つ著者が、心理学と物理学(特に量子物理学)とを架橋せずにはいられなかったかのような著書で、「素粒子に起こることは人間にも起こる」という壮大(ある意味超ミクロ)なことを言い放ち、方向性を感じ取る知恵を巡り、量子物理学やら数学やら老子の教えやらアフリカ原住民の言葉やらが混ざり合う。。
(以下、プロセス思考心理学入門のメモ)
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■概論
- ドリームボディワーク
- 夢と身体の共時性
一次プロセス、二次プロセス、エッジ
- 一次プロセスはほぼ自我に相応
- 二次プロセスは相対的に同一化していないプロセス
- POPは立脚点は本来動的なものであり、その変化を自覚して変化に従うことのできる柔軟性を重視★
- エッジは、1つの状態から他の状態、あるいは、一次プロセスから二次プロセスへの過渡状態
POPの新たな潮流
- シグナルワーク
- ドリームアップ
- 相手の無意識的なダブルシグナル=一次プロセスとは一致しないシグナルに反応して相手の無意識的な側面を演じさせられる状態
- 相補的逆転移を無意識な身体のシグナルを見抜いていく
プロセス指向とは
- プロセス指向心理学はユング心理学の系譜
- プロセス広義:私を含みかつ私を超えている大いなる生命の流れ=タオ
- プロセス狭義:今起こっていることの体験の仕方の変化→これに気付いていく
- ミンデルのプロセス指向とは「今起こっていることの体験の変化」を「大切にする」あるいは「自覚する」
- 今起こっていることに意味があると捉えるユング心理学とする目的論的な基本姿勢
- プロセス指向心理学は問題の治療解決のための療法ではなく、問題の体験の仕方に関する自覚を高めようとする瞑想である
- つまり、今起こっていることを観照する瞑想的な態度が育まれるなら、結果的に問題の解決につながることも多いだろう★
アウェアネスの重視
- 今起こっていることには意味があると目的論的に言い切ることは少なくなった
- 今起こっていることの意味を排除・周縁化する側を尊重しない一面的な態度に陥らないように、相反する立場を俯瞰する公平な観察眼を持って、全体に気づきを向ける=ディープ・デモクラシーの理論★
布置(コンステレーション)あるいは共時性(シンクロニシティ)
- 同一化された中心的な体験(一次プロセス)と排除・周縁化されている体験(二次プロセス)の両方を踏まえて全体のプロセスに添い従うこと。ある体験(チャンネル)に焦点が当てられた時、その背景となる体験(その他のチャンネル)を見据えること。
場という観点
- プロセスの展開は、プロセスの展開は全体の布置を見抜き、同一化されている側とマージナライズされている側が交わる「場」を維持することによって自然と促される
- コンセンサス・リアリティ:共有されているリアリティ→多数派、少数派が生じやすい
- ドリーミング・りありてぃ:想像界的なリアリティ→対立する極の交流が可能
- センシェント・リアリティ:潜在的可能性→日二次元的では分割できない雰囲気のようなもの
プロセス指向心理学が最も大切にしていること
- benevolence to the nature(今、起こっていることを大切にすること)