協生農法の生みの親・野人ムーさんのところに行ってきました[シネコカルチャー実験記録12]

だいぶ時間がたってしまいましたが、
協生農法の生みの親 ムーさんのところに行ってきました。

協生農法実践講習ということで、
初期のセットアップの演習と協生理論の講義。

いやー面白かった。
ムーさんはやっぱり野人でした。笑

協生農法(およびシネコカルチャー)について
「協生農法(シネコカルチャー)」は、食糧生産と環境破壊のトレードオフや、人か自然かの二元論を乗り越えて、生態系が本来持つ力を多面的・総合的に活用する生態系構築技術(詳細はSony CSLのHP )。学術的には、人の営みが生態系構築および生物多様性の回復に貢献していく「拡張生態系」という考え方に根ざしています。(株)桜自然塾の大塚隆氏によって原型の創 案がなされ、Sony CSLの舩橋真俊氏によって学術的定式化がなされています。

ご興味ある方はEcological Memesで開催しているセッションの様子や記事もご覧ください。
生態系の“あいだ”を回復・構築する「協生農法」とは?
地球の生態系に包摂された生命として人はどう生きるのか 〜自然と人の“あいだ”を取り戻す協生農法〜
EMF21レポート② シネコカルチャー(協生農法)とは何か【前編】
人間と自然の共繁栄のかたち。生態系を拡張させる「協生農法」の実践
・拡張生態系のパラダイム – シネコカルチャーの社会実装の契機をさぐる-(舩橋真俊氏) 

【シネコカルチャー実験記録の記事一覧】
耕作放棄地で協生農法をはじめました[シネコカルチャー実験記録①]
植物は生長に必要な物資を自ら調達する~横に伸びるトマトと協生農法実践マニュアル~[シネコカルチャー実験記録②]
遠野で協生農園を訪問。美しき緑の焚き火。[シネコカルチャー実験記録③]
畝をつくらない区画をつくってみた。[シネコカルチャー実験記録④]
結実過程のドラマ。オクラ、ピーマン、トマト、ジャガイモほか。[シネコカルチャー実験記録④]
全36科87種。Scrapboxで協生菜園の植生リストをつくってみました。[シネコカルチャー実験記録⑤]
二子玉川のコミュニティ畑プロジェクト「タマリバタケ」で協生農法はじまります [シネコカルチャー実験記録⑥]
ベランダでもできる小さな生態系観察。協生プランターのすすめ [シネコカルチャー実験記録⑦]
種から種へ。自家採種を通じてみえてくる植物の姿と枯れの凄み。[シネコカルチャー実験記録⑧]
タマリバタケの協生菜園のその後<秋分〜冬至>[シネコカルチャー実験記録⑨]
協生菜園で育てた蓼藍で生葉染め、そして種取り。植物の生命力を身にまとう。[シネコカルチャー実験記録10]
協生菜園に春がきた<タマリバタケの冬至〜春分>[シネコカルチャー実験記録11]
協生農法の生みの親・野人ムーさんのところに行ってきました[シネコカルチャー実験記録12]
無肥料・無農薬でも虫に食われないのはなぜか。混生密生の多様性がもたらす縁起と恵みの実感。[シネコカルチャー実験記録13]
埼玉・春日部の農園で協生農法をご一緒にやりたい方を募集しています。[シネコカルチャー実験記録14]
春日部にて協生圃場プロジェクトがスタート。秋分の集いにて[シネコカルチャー実験記録15]
不耕起栽培、ゲイブ・ブラウンの土を育てる、拡張生態系における人の役割と希望。
※このブログは、個人の実験的な観察・実践記録であり、公式なやり方や内容を記載しているものではありません。

自分でもいろいろ実践してきたこともあり、
演習自体はやってきたやり方の答え合わせみたいな感覚で、
これまでのやり方や見方が間違っていなかったとなんだか自信と勇気をもらったり。

改めて協生農法実践マニュアルが本当によくでてきているなと。
協生農法をはじめたい方はまずはこれを徹底的に読み込むことをおすすめします。


協生圃場の実際の風景をみれたことが何よりのインスピレーション。
最近やはり生態系再生はみえざる風景を植物や他の生命の輪に人もいれてもらい、マルチスピーシーズな世界を協同構築していくことなのだと感じていますが、まさにそんな場所。

美味しすぎるムー農園のお昼ご飯をいただいた後は、
みっちり協生理論について。

やっぱり第一人者の言葉をきくことはとても大事。
協生理論はエネルギー理論なのだという言葉をきいて、いろいろと腑に落ちた。
ムーさんに物理学のバックグラウンドがあることも。

植物が何によって生長するのか。
生命はどのように生命たり得るのか。

色々な先生に聞いて回ったけど、
納得のいく答えは返ってこなかったそう。

それでつくりあげたのが協生農法理論。
生態系をエネルギー(生命力)の循環として捉えた理論であるということがよくわかった。

生命には生命力の循環が必要なのだ。
これはまさに、現在翻訳しているリジェネラティブリーダーシップでも扱われる「life-affirming」とよばれるエッセンスそのもの。

Life creates conditions conducive for life.

木から落ちたリンゴが虫や微生物たちに食べられ、土に還り、次の生命への苗床となっていくように38億年ものあいだ絶えず脈々とつないできた、生命は生命そのものが育まれる条件を創り出すという、シンプルで深淵な事実。

現代社会は、生きることや生命活動というのもの栄養学に還元し過ぎているというのは常々感じているので、ムーさんの話はすっと腑に落ちた。食べることの物質的側面だけを取り出す完全栄養の話などはその極みだと思う。栄養も大事だが、僕らの心身の健康状態というのがそれだけでは説明できないことは自分という生き物をみてみれば明らかだ。

あとは、印象的だったのは、
協生農法は慣行農法に比べ土地効率が格段にあがると断言されていたこと。

近代農法の生理最適をめざす合理性からすれば、
自然の生態最適をはかる協生農法では収量があがらないと思いがちだが、
生態系の力を最大限引き出すことができれば実際には面積あたり収量が上がる。
ムーさんの実験結果によると近代農法の50倍ほど(本には10倍と留めておいたそうだが)。

ただし、協生農法はモノカルチャー的な大量生産ではないので、
少量多品種を少しづつ販売していくモデルがフィットする。
自然の生態系や多様性に寄り添っていくと、
大規模で画一的な風景の不自然さが身に沁みるわけだが、
このあたりは稲の多年草化栽培の小川さんがおっしゃっていたことともつながるなぁ。

僕も今年は面積あたり収量を記録してみよう。