社会課題解決からはきっとイノベーションは生まれない

社会課題解決からはきっとイノベーションは生まれない

半年ほど前に、凸版印刷&富士フィルムさんと一緒に仕掛けさせて頂いたプロジェクトがメディアに掲載されました。

富士フイルム×凸版印刷 共創プロジェクト「cyan」

 

2025年の未来の社会課題と事業機会を探索していくというPJT内容もさながら、大企業、しかも技術研究所同士のこうしたR&D取り組みを外に出していくこと自体が野心的ですしさすがWAO。

未来の社会課題を起点にしたプロセスではあるのだけれど、個人的には、今回の裏テーマは、「課題解決ではなく、未来ビジョンドリブンでイノベーションを仕掛けていく」こと。

ソーシャルイノベーションという言葉も広く語られるようになりましたが、「社会課題解決」から始まる話って実はあまり面白くない感じがしていて、自分が魂込めて創りたい未来のビジョンがあるかどうかの方がよっぽど大事。つまり、エゴ。

今回のPJTも、技術研究者が、目の前の技術課題を解決するだけでなく、自分の研究と社会との繋がりを描き、自分が未来の担い手になっていくためのマインドセットの転換を仕掛けたPJTでした。何かしら未来の事業の種になっていくと良いな。

 

あと今回は、biotope外部パートナーであり、各方面で知的放火師の異名を持つ歴史学者 三石さんをお呼びして各チーム好奇心とインスピレーション駆り立てられまくりのセッションを途中でやり、

各チームのフィールドリサーチでは、「都市・モビリティ」チームでは外部パートナーvuild 秋吉さんや、「健康・ライフサイエンス」チームは財政破綻を抱えた夕張市で「支える医療」を仕掛けられた永森医師はじめ、各領域の先端を行く方々にお力添え頂いたことで、その後のインサイトも面白みもぐっと深まり、

そうか、そういう時間軸や歴史的視点(三石さんは歴史の範疇を超えていたけど)、尖った専門性を入れ込んでいくとこうなるのかー、というのが個人的には面白かった。(一方で、その新たな視点を上手く活かせる人・場合もあればそうでない場合もありそう)

 

プログラムをプロトタイプし続け、一緒に仕掛けさせて頂いたコアチームのみなさん本当にお疲れ様でした!