在る(Being)から生成へ(Becoming)〜新たな生命科学と利他、協創(亜種の起源 / 桜田一洋)〜
理化学研究所・桜田一洋さんの「亜種の起源〜苦しみは波のように〜」、素晴らしい本だった。 大まかな内容としては、生命進化の本質をダーウィンのいう「競争」ではなく、ウォレスのいう「協創」や「相互扶助」と捉えた上で、要素分解と…
人と情報社会の250年を生態学史観で紐解く(IT全史 / 中野明)
「IT全史ー情報技術の250年を読む/ 中野明」面白かった。とあるお仕事で勉強のために読み始めたのだけど、普通に面白くて一気読みしてしまった。「腕木通信→電信→電話→無線→ラジオ→テレビ→コンピュータ→インターネット→(…
2017年のBook of the Year 〜身体知性、散逸構造とゆらぎ、センスオブワンダー
ここのところ自分の思考の変遷を辿るということをしてみているのだけど、その一環で、もはや毎年恒例となっている読んだ本、読んでよかった本の振り返り。こうして振り返ってみると、2017年は、 1.明らかに比重が増えた…
伊豆の黄昏とレイチェルカーソンのセンス・オブ・ワンダー
「沈黙の春」で有名なレイチェルカーソンさんのセンス・オブ・ワンダー。今、このタイミングで、ほんとうに、出会いたかった一冊でした。 (以下、抜粋メモ)・子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと…
ウディアレンと生物学 – 壊す仕組みと動的平衡 –
昔のウディアレン特集を読んでいたら、「やがて宇宙は膨張し爆発してしまう」というウディ映画の代名詞的なセリフに「宇宙が終わるまで待たなくても大丈夫ですよ」と返答する生物学者福岡伸一さんのコラムがとても面白い。 ー…
生き方の表裏としての働き方改革と菜根譚
新たな働き方を世に問い、仕掛けていく事業を生み広げていくための某グローバル企業での変革ワークショップを終え、ふらりとよった近所の古文書屋のおじいちゃんにすすめてもらった中国名著「菜根譚」。儒仏道、すなわち表の辞令としての…
時間は盗まれると死んでしまう(モモ/ミヒャエル・エンデ)
「私はいまの話を、過去に起こったことのように話をしましたね。でもそれを将来起こることとしてお話ししても良かったんですよ」ふと、改めて、ミヒャエルエンデのモモを手に。現代社会の普遍的なテーマを、痛烈に鋭く指摘しながらも、ロ…
現実のしっぽをつかまえる。(文化とはなんだろうか/鶴見俊輔)
文壇カフェで偶然見つけた鶴見俊輔さんの座談集「文化とはなんだろうか」、余韻が凄い。30年、40年以上前に行われているとは思えないほど鮮やかな対談。(ゴジラと君の名は(1953)が語られるくだりも現代を錯覚させられたけど、…
自律型組織に必要な、「散逸構造」「ゆらぎの内部強化と自己触媒」「セルフオーガナイジング」(企業進化論 / 野中郁次郎)
野中郁次郎先生の企業進化論。1985年なので、知識創造理論とSECIモデルが発表される20年も前に書かれた本ですが、個人的には、野中先生の著書の中で一番革新的で面白いと思う。最近は、ホラクラシーやreinventing …
自分らしくオーセンティックに生きるための知恵(あなたは、なぜ、つながれないのか:ラポールと身体知 / 高石宏輔)
カウンセラーでもありナンパ師でもある高石さんの著書。彼の世界観を表現したエッセイのような一冊。巷によくある自己啓発書のようなこうすれば上手くいく的なことは書いていない。・パターンを壊すことからコミュニケーションを始める・…
Book of the year 2015 〜U理論、マインドフルネス、エモーショナルインテリジェンス2.0
一足先に2015年の振り返りも終え、部屋に積み重なる本の棚卸し。今年の読んでよかったBook of the Year。(だいたい読んだ順)・ザ・ビジョン・人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門・エッセンシャル思考・人間…
禅と日本文化/鈴木大拙
鈴木大拙さんの「禅と日本文化」。ようやく読みました。禅がいかに日本人の性格や日本文化に影響を与えているか、禅とは何か、ということを欧米人向けに行った英語での講演を翻訳したもの。これまで読んだ禅の本とはまるで違う感じ。松尾…
憎悪や分断の連鎖を断ち切るために必要な自己の感情や衝動的反応に対する気付き(Emotional Intelligence 2.0 / Bradberry Travis & Jean Greaves)
感情や反応と向き合いながら、日々の暮らしを豊かに味わうための知恵が詰まった一冊。Self-Awareness(自己への気づき)の章からの一節。—————…
これからの分断の時代をどう生きるか? (出現する未来 / オットー・シャーマー)
これからさらに進んでいくであろう分断の世界で、僕らは何ができるだろうか。そんな問いに新たな光を照らしてくれる1冊。U理論のオットーシャーマー博士が行う、MITのオンラインコースであるU-lab受講にあたり、課題図書だった…