協生菜園で育てた蓼藍で生葉染め、そして種取り。植物の生命力を身にまとう。[シネコカルチャー実験記録10]
立春を過ぎ、蓼藍の種や生葉染めのことをきかれることが増えてきたので、
昨年の藍の生葉染め&種取りのことを書き留めておこうと思います。
協生農法は、生態系が本来持つ力を回復させながら、人にとっての有用性を取り出していくわけですが、
それは食糧に限りません。
ということで、蓼藍が繁茂してきたので生葉染めにチャレンジ。
はる農園さんから種を分けて頂いてうちの協生菜園で育てていたもの。
藍は昔から薬用・食用としても活用されていたそうで、残りの葉は乾燥させて藍茶としてもいただきました。
協生農法(およびシネコカルチャー)について
「協生農法(シネコカルチャー)」は、食糧生産と環境破壊のトレードオフや、人か自然かの二元論を乗り越えて、生態系が本来持つ力を多面的・総合的に活用する生態系構築技術(詳細はSony CSLのHP )。学術的には、人の営みが生態系構築および生物多様性の回復に貢献していく「拡張生態系」という考え方に根ざしています。(株)桜自然塾の大塚隆氏によって原型が創られ、Sony CSLの舩橋真俊氏によって学術的定式化がなされています。
ご興味ある方はEcological Memesで開催しているセッションの様子や記事もご覧ください。
・生態系の“あいだ”を回復・構築する「協生農法」とは?
・地球の生態系に包摂された生命として人はどう生きるのか 〜自然と人の“あいだ”を取り戻す協生農法〜
・EMF21レポート② シネコカルチャー(協生農法)とは何か【前編】
・人間と自然の共繁栄のかたち。生態系を拡張させる「協生農法」の実践
・拡張生態系のパラダイム – シネコカルチャーの社会実装の契機をさぐる-(舩橋真俊氏)
【シネコカルチャー実験記録の記事一覧】
・耕作放棄地で協生農法をはじめました[シネコカルチャー実験記録①]
・植物は生長に必要な物資を自ら調達する~横に伸びるトマトと協生農法実践マニュアル~[シネコカルチャー実験記録②]
・遠野で協生農園を訪問。美しき緑の焚き火。[シネコカルチャー実験記録③]
・畝をつくらない区画をつくってみた。[シネコカルチャー実験記録④]
・結実過程のドラマ。オクラ、ピーマン、トマト、ジャガイモほか。[シネコカルチャー実験記録④]
・全36科87種。Scrapboxで協生菜園の植生リストをつくってみました。[シネコカルチャー実験記録⑤]
・二子玉川のコミュニティ畑プロジェクト「タマリバタケ」で協生農法はじまります [シネコカルチャー実験記録⑥]
・ベランダでもできる小さな生態系観察。協生プランターのすすめ [シネコカルチャー実験記録⑦]
・種から種へ。自家採種を通じてみえてくる植物の姿と枯れの凄み。[シネコカルチャー実験記録⑧]
・タマリバタケの協生菜園のその後<秋分〜冬至>[シネコカルチャー実験記録⑨]
・協生菜園で育てた蓼藍で生葉染め、そして種取り。植物の生命力を身にまとう。[シネコカルチャー実験記録10]
・協生菜園に春がきた<タマリバタケの冬至〜春分>[シネコカルチャー実験記録11]
・協生農法の生みの親・野人ムーさんのところに行ってきました[シネコカルチャー実験記録12]
・無肥料・無農薬でも虫に食われないのはなぜか。混生密生の多様性がもたらす縁起と恵みの実感。[シネコカルチャー実験記録13]
・埼玉・春日部の農園で協生農法をご一緒にやりたい方を募集しています。[シネコカルチャー実験記録14]
・春日部にて協生圃場プロジェクトがスタート。秋分の集いにて[シネコカルチャー実験記録15]
・不耕起栽培、ゲイブ・ブラウンの土を育てる、拡張生態系における人の役割と希望。
・混生密生の世界と収穫による生態系への介入[協生農法実験記録17]
・かすかべ協生農園のお野菜詰め合わせセット販売
※このブログは、個人の実験的な観察・実践記録であり、公式なやり方や内容を記載しているものではありません。
妻にスカーフ、娘にTシャツ、父親の古希祝いと母親誕生日にハンドウォーマーと腹巻き。
うまく染まるかなーとどきどきだったけどムラもなくわりといい感じのエメラルドブルーに。
スカーフとハンドウォーマーは二度染め。個人的は落ち着いていて結構好きな色合い。
娘のTシャツもめちゃくちゃ可愛い!
手際よくやればもう少し酸化してインディゴブルーな青さが出るのだろうか。
あとは葉量かな。また色々やってみたい。藍の香りに包まれて爽快&風合いがめちゃくちゃ気持ちいい。
ハマりそうです。
草木染めをやっている知人からおすすめを教えて頂いて絹100%素材をチョイス。
ミキサーと絹素材さえあれば、誰でもできます。
空気も触れて青に変わっていく瞬間が本当に美しい。魔法みたい!
今回は茎70本 葉300gほど刈り取って、絹布5-7倍くらいの無媒染。
こんな感じのエリアがもう二つくらいあるのでまたやってみたい。
手袋するのすっかり忘れて爪まで染まる。が、心なしかお肌すべすべ感。
途中で出会ったカタツムリさん。みつけられてよかった。
残りの葉は乾燥葉に。
左は自然乾燥、右はまた染めるために電子レンジ乾燥。
電子レンジで急速乾燥させるとインジカンを保持した状態で乾燥できるらしい。
確かに自然乾燥は青くなっていくのに対し、電子レンジは緑のまま!(いつかすくも作りもやってみたい。家庭でやるには結構大変みたいだけど)。
ちなみに、藍の生命力はすごい。
茎染めもやってみようかと思ったけど今度にして、水差ししておいたら凄まじい発根のスピード。
刈った枝を土の上に置いておけば、そこから気付けば根を張りいくらでも増えていく。
昔の人は防虫などの効果ももちろんあったのだろうけど、この藍の生命力を身にまとっていたのだろう。
余り乾燥葉、冬場は藍茶としていただきました。
後味がほんのり甘くて美味しい。
しかも。
「藍職人は病気知らず」と言われるほど藍は古くから薬草としても活用されていて、抗がん、抗菌、抗炎症、抗酸化(アンチエイジング)、便秘改善、火傷などかなり効能抜群だそうです。これは野草茶レパートリーに追加したいところです。
残りの藍たちはもう少し季節がめぐると小さな花を咲かせます。
その姿がとても可愛らしい。そして、咲き終わるとだんだんと茶色くなり種をつけます。
水引もそうだけど、タデ科の花かなり好きかも。なんでこんなに可愛らしいんだろう。
蓼藍、栽培もとっても簡単です (プランターでもOK)。
もしやってみたい方いらしたら種や生葉などお分けしますのでぜひご連絡ください。
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