耕作放棄地で協生農法をはじめました[協生農法実験記録①]
「そこは土も日当たりも悪いから作物もなかなか育たねぇ場所だよ」 2019年のEcological Memes フォーラム「あいだの回復」でセッションをやっていただいて以来、すっかりファンになってしまい、まずは自分がやって…
森のバロック③:生命システムを内部から観ようとする南方生命論とオートポイエーシス -なぜ食べると食べられるは同じことなのか-
前回は熊楠と粘菌について書きました。 今回は、森のバロック第五章より、オートポイエーシス論なども参照しながら、そうした熊楠の生命論に迫っていきたいと思います。そこには、近現代社会システムが前提としてきた「自律的な主体」に…
森のバロック②:分ける知性の呪縛から解放する「南方粘菌学」-枯れ木に花咲くを驚くより、生木に花咲くを驚け-
粘菌って菌類ですよね…? 南方熊楠は、博物学や民俗学の分野での近代日本の先駆者的存在であると同時に、生物学、特に粘菌研究者としても知られているわけなので、そういう話をしているとたまに聞かれることがあります。 が、粘菌は菌…
安易な同調や対立ではなく、差異を差異のままにとどめておく力。信仰の尊さと盲目の危うさと。(鹿の王 水底の橋 / 上橋菜穂子)
上橋さんの物語はやっぱりやっぱり面白い。医療小説でありながら、ウイルスや菌のあり方を人の内側や社会と重ね合わせた前作で登場した、オタワル医術の名医ホッサルのその後を描いた続編「鹿の王 水底の橋」 最初は淡々と物語が進んで…
森のバロック①:南方マンダラの世界をのぞいてみる-無意識の集団記憶や共同幻想が生まれるメカニズム-
「わたしはこの本で、南方熊楠の生涯のうちで「最も深く体験されたもの」、それだけを注意深く取り出そうとした」 南方熊楠の偉人・奇人的人物像や客観的な経歴に関わる文献は多くあるが、論文や書簡に記載された言葉だけでなく、その内…
在る(Being)から生成へ(Becoming)〜新たな生命科学と利他、協創(亜種の起源 / 桜田一洋)〜
理化学研究所・桜田一洋さんの「亜種の起源〜苦しみは波のように〜」、素晴らしい本だった。 大まかな内容としては、生命進化の本質をダーウィンのいう「競争」ではなく、ウォレスのいう「協創」や「相互扶助」と捉えた上で、要素分解と…
解剖学者・三木成夫に読む、思考偏重な時代の内臓感覚的道標(後編)〜インナーネイチャーとしての陰陽リズム、胎児にみる生命4億年の歴史、自然哲学と象徴思考〜
解剖学者・三木成夫さんのでデビュー作にして伝説的名著「内臓とこころ」 前編では身体の奥深くで生命の根源的な営みを続ける内臓感覚(植物性器官)の成り立ち、こころとの深いつながりをみてきましたが、 後編では、発育過程をなぞり…
解剖学者・三木成夫の「内臓とこころ」に読む、思考偏重な時代を乗り越えるための道標(前編)〜内臓感覚とリズム、季節を感じる心、そして自然(じねん)〜
「人間のこころには4億年かけて進化してきた生命の記憶が刻まれている」「こころとは内蔵された宇宙のリズムである」 胎児の世界などでも著名な解剖学者・三木成夫さんのでデビュー作にして伝説的名著「内臓とこころ」。 三木さんの保…
内蔵感覚をひらき、溶け合う環境に身を委ねる”あわい”の感覚とは?(あわいの力/安田登)
Stay Home中に書き溜めていた読書記録放出シリーズ。今回はあわいの力 / 安田登。能楽師・安田登さんの著書の中でも特に興奮がとまらない一冊で、個人的「こころの3部作」のひとつ。日本芸能の培ってきた身体性やあわいを感…
ヒューマンスケールを越えて – 頭で「分かつ」世界から生命のリズムや流れと「共にある」世界へ – (鎌田東二・ハナムラチカヒロ)
4月くらいからなんだか面白い本との出逢いが多すぎているのですが、週末にいろいろ書き溜めていたものを、順次放出することに。まずはこれ。 ヒューマンスケールを越えて -わたし・聖地・ガイア- / 鎌田東二・ハナムラチカヒロ …
#コロナが気付かせてくれたこと 時代の転換点に思い出しておきたいメッセージまとめ
COVID-19のパンデミックは大変な事態ではあるけれど、多くの人にとってStayhomeは「本当に大切なことは何か」「本当に必要なことは何か」と向き合う余白でもあったのではないかと思います。日々の暮らし、家族との時間、…
サッカーとコロナと身体感覚(「これからの社会におけるサッカー」寄稿文)
人の少ない朝や夕方に娘と近くの公園にお散歩に行く。保育園が休園になってからの日課だ。 思いっきり身体を動かし、太陽の光を浴びて、雨上がりの土をいじり、草木とお話をする。 日々の暮らしや家族との大切な時間への感謝と共に、未…
Ecological Memesの活動がIDEAS FOR GOODさんに掲載されました。
マイプロ的にやっているEcological MemesというプロジェクトをIDEAS FOR GOODさんに取材頂きました。エコロジーや生態系を切り口に、これからの時代の人間観やビジネスの在り方を領域横断で探索する試み。…
自然の叡智に寄り添い、21世紀型のシステム変容へと誘う“Regenerative Leadership(リジェネラティブ・リーダーシップ)”の読書会を開催しました。
英治出版さんで、“Regenerative Leadership”という英書の読書会を開催。自然の叡智に学び21世紀型のシステム変容をもたらすリーダシップの在り方に迫った本で、エコロジカル・ミームの世界観ともかなり通じる…
これからの時代に東洋的哲学を探究する意義とは〜人新世における人と自然の関係性の再構築〜
人と自然の関係性に切り込んだこの記事(英語)にインスピレーションを受けて徒然。Humanity and nature are not separate – we must see them as one to fix t…